【代理店ビジネス戦略の策定】効果的に始める4つのステップ

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代理店戦略

代理店・セールスパートナーとの連携によって、自社商品・サービスの販路拡大を急ピッチで進めることが可能です。

代理店ビジネスは1つの事業を進めるようなものです。プログラムの立案から、代理店の獲得活動、そして代理店が活躍してくれる土台を作る活動まで、対応が必要な仕組みは多岐にわたります。「ちょっとやってみよう」で効果的な施策になるかというと、そうではありません。

本記事では、御社にとってて本当に代理店施策が最も優先順位が高い施策になるのかを考えるため、成果を最大化させるためにはどのような手順で代理店・セールスパートナー戦略を策定をすれば良いのか、見逃されがちな課題や、設定のポイントを交えてご紹介していきます。

目次

代理店とは?

代理店とは、メーカーと契約することで、メーカーの代わりに商品やサービスを顧客に届けてくれる存在です。

メーカーは、自社の営業マンによる直接販売ではなく、代理店の営業リソースを活用することで、自社負担が少なく済み、拠点がない地域においても顧客獲得を行うことが可能です。その役割ごとに代理店にはさまざまな種類があり、下記のように分けられます。

紹介代理店

見込み顧客の紹介を生業とする代理店。

マーケティング活動を行い、商品・サービスの紹介を進めアポイントを取得、メーカーにバトンタッチします。メーカーは紹介された顧客に商談を行い、顧客獲得を進める連携方法です。

代理店の負荷が少なく、サービス理解も一定レベルあれば良いことから、個人事業主との連携を進める企業も多くいます。

取次代理店

取次代理店は顧客フォローに責任を持たない契約のため、マーケティング活動から契約、顧客フォローまで行う販売代理店とは区別されています。

もともと宅配業の他、クリーニング店で使われていた言葉ですが、最近では月額定額制のサービス(サブスクリプション・Saas)の拡大に伴い、契約を前提とした顧客の紹介”のみ”を行う代理店のことを「取次代理店」呼んでいます。

販売代理店

マーケティング活動から契約、顧客フォローまで行う代理店です。

活動の範囲が広いことからメーカーとの繋がりも強く、また報酬設計についても他の代理店に比べ高く設定されています。

代理店ビジネスのメリット

代理店との連携を進めるメリットは自社の持たない資産・リソースを使えることです。代理店に活動してもらうことで、事業成長のスピードを大きくあげることが可能です。

代理店ビジネスのメリット1:販路を拡大できる

自社が接点を持っていない・持ちづらかった領域への販路拡大が可能です。

業界・業種、地域、企業規模など自社の顧客とは異なった領域の顧客を抱える代理店も多く、新規で多大な投資をせずとも、新たな顧客に情報を提供することが可能です。

代理店ビジネスのメリット2:活動量の拡大(営業リソースの強化)

新規での採用、そして教育など営業マンを自社で抱える必要がないことも大きなメリットです。10名の営業を抱える代理店10社と連携すれば、100名の営業部隊を抱えていることと同じです。

商材についての知識を新たにインプットしてもらう必要がありますが、営業スキルをすでに持ち合わせた代理店と連携をすることで、初速から一定の成果を生み出すことが可能となります。

代理店ビジネスのメリット3:リスクが低い

最後のメリットがリスクの低さです。代理店戦略の策定、実働に対しては一定の人員をかけて取り組む必要がありますが、資金面での初期投資は比較的少なくスタートすることができます。

例えば、地方顧客の拡大を進める場合、支店開設を開設して、現地で求人を募って、マーケティング投資を進めてと、それぞれに投資を必要としますが、代理店と連携を進めることで、そのリスクが軽減されます。

代理店ビジネスを始める前の注意点

手段の目的化は成果が出づらく、疲弊する原因となってしまいます。代理店戦略が御社にとって最適な選択肢なのかどうかを考えるうえで、理解・注意しておいて欲しいことがあります。

代理店ビジネスは1つの事業を進めるようなものです。プログラムの立案から、代理店の獲得活動、そして代理店が活躍してくれる土台を作る活動(代理店営業)まで、対応が必要な項目は多岐にわたります。「ちょっとやってみよう」で効果的な施策になるかというと、そうではありません。

注意点1:PMF(プロダクトマーケットフィット)が重要

代理店ビジネスを進める上で、代理店が販売したくなるプログラムを作ることが大切です。

代理店が扱う商材は御社の商材だけではなく、様々な選択肢を持っています。その中で「なぜ御社の商品を販売することを良しとするのか」「どうすれば活動が推進されるのか」を意識したプログラム設計が大切です。

自社都合だけで設計するのではなく、自社の商品・サービスと同じで、他社との差別化を行い、その強みを訴求していく必要があります。

注意点2:マーケティング活動が必要

代理店を集める活動を蔑ろにしてはいけません。

代理店ビジネスをスタートしたところで、代理店が集まらなければ成長は見込めません。残念ながらよほど知名度のあるサービスでない限り、代理店側から問い合わせを受けることはないでしょう。

代理店を生業としている企業なのか、自社商材と親和性のある企業なのか、それとも新規開拓したいターゲットに強い企業なのか、最終の顧客まで意識したターゲット設定とマーケティング活動が必要です。

注意点3:代理店営業・育成活動が必要

代理店ビジネスで、代理店営業・育成活動の優先を劣後させると一時的な活動で終わってしまいます。

代理店と契約をかわしても、代理店にとっての御社商材の販売優先度を上げなければこれまでの投資は水の泡。代理店に自主的に活動してもらうための活動は欠かせません。

代理店向けの研修プログラムの策定や、代理店営業として代理店と密なコミュニケーションをとり、代理店ごとの課題を解決してあげる必要があります。

注意点4:成果はすぐに出ない

注意点1〜3のように、やることが山積しています。初めてすぐに結果が出るものではないことを理解しておく必要があります。

通常成果がで始めるまで1年はかかる活動です。私が支援してる企業ですと、専任担当をつけてスピード感をもって対応しても4ヶ月かかりました。中長期的に自社のみで対応していくのか、外部の協力を経て短期間で進めていくのかなど、緊急度・重要度を考えた上で対応していく必要があります。

代理店ビジネスの全体像・策定ステップ

代理店ビジネス 戦略 

代理店獲得活動を策定する上で、まずは全体像を把握する必要があります。

代理店戦略策定ステップ1:事業計画・戦略上の立ち位置を明確にする

事業戦略上、代理店活動が本当に必要なのかどうかの確認をしましょう。

確認をした上で、投資・注力すべきと判断した場合は、どのくらいの成長を見込むのか事業計画を策定する必要があります(簡易でも大丈夫です)。事業計画に基づき、どのくらいの代理店を見込むのか、どれくらいの報酬設計を考えて問題ないのかを明確にしていきましょう

優先度が高く、かつ投資の枠があるようでしたら、外部コンサルを入れ、専任担当を設置することが望ましいです。

代理店戦略策定ステップ2:事前準備・プログラムの設計

代理店が販売したくなるプログラムを策定していきます。

代理店活動を進める際に2つの営業機会があります。1度目は代理店との契約締結を結ぶとき、もう1つは代理店が顧客を獲得するとき。代理店プログラムはこの2度の営業機会を意識して策定する必要があります。

代理店との契約結ぶ際に重要になるのが下記の要素

  1. 事業になりうるかの判断に重要な要素
    1. 報酬設計
    2. 必要な工数(人員・資金)
  2. 売りやすい商材なのかどうなのかのを判断する要素
    1. サービス特徴
    2. 顧客特徴

そして、代理店が顧客に販売することを見越して気にするのが下記の要素です

  1. 売りやすい環境かどうかを判断する要素
    1. 競合サービスの理解
    2. 競合代理店の存在有無
  2. 売るための支援があるかどうかを判断する要素
    1. サポート体制
    2. 提供ツールの有無
参考:セールスフォース・ドットコム_パートナープログラム参考:サイボウズオフィシャルパートナー

代理店戦略策定ステップ3:代理店獲得活動

事業戦略に合わせて、どのような顧客を開拓していくのか、そのためにはどのような代理店と連携を進めるべきなのかを具体にしていきます。

ターゲットを選定して、そのターゲットに刺さるメッセージを考える、そしてターゲットが折衝する場所でそれを発信する。基本的なマーケティング活動を地道に進めていくことが重要です。代理店募集・獲得活動については、「代理店募集の始め方・方法を解説」をチェックしてみてください。

工数があっても予算が限られている場合などは、PRの年間計画と連動させて進めていくこともう効果的です。

代理店戦略策定ステップ4:代理店営業・育成活動

代理店活動成功の鍵を握る『代理店営業・育成活動』。非常に重要なポイントです。

代理店の活動を促進するにはプログラムでどのような報酬設計を組むかも大切ですが、プラスして3つのサポートが重要となります。

  1. モチベーションのサポート
    1. 報酬設計(前述)
    2. 成功体験(顧客獲得)の支援
  2. 活動のサポート
    1. 提供ツールの用意
    2. 同行営業など顧客に合わせた柔軟な対応
    3. 負荷のかからない運用体制
  3. 成長のサポート
    1. 研修プログラム
    2. 適切なフィードバック

代理店営業・育成活動についてこちらの記事で細かく解説しています。ぜひご覧ください。

代理店戦略はあくまで手段の1つ。

代理店戦略策定の全体像をご紹介してきましたがいかがでしたか?

うまく進めることができれば成果を大幅に上げてくれる活動ですが、なんとなくで始めると痛い目を見ることが多いからこそ、代理店活動のメリットだけでなく、それを享受するために必要なあれやこれやについても記載しました。

代理店施策は1つの事業を進めるようなものです。プログラムの立案から、代理店の獲得活動、そして代理店が活躍してくれる土台を作る活動まで、対応が必要な項目は多岐にわたります。

ぜひ、御社にとって本当に代理店施策が最も優先順位が高い活動になるのかどうか、これを機に検討してもらえると幸いです。

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